マクロ平均・マイクロ平均法|機械学習・多クラス分類のための性能評価

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こんな方におすすめ
  • 機械学習・AIにおける多クラス分類の評価方法について詳しく知りたい。
  • マクロ平均・マイクロ平均について概要・違いを理解したい。
目次

【機械学習・AI】多クラス分類とは

多クラス分類とは、3種類以上のクラスラベルを分類する問題を指します。

2値分類のように事象を「0」か「1」に分類するのではなく、「0」「1」「2」・・・「N」にカテゴリ分類するのが多クラス分類です。そのため、多クラス分類は2値分類と評価指標を算出する過程が少し異なってきます。

本記事では機械学習の多クラス分類モデルを評価する上で重要となる「マイクロ平均」「マクロ平均」という概念について解説します。

機械学習・AIにおける基本的な分類問題の評価方法についてはこちらで解説しています。後述する混合行列・適合率・再現率の概念で分からない点あれば、まずこちらをご覧ください。

【機械学習・AI】多クラス分類モデルの性能評価

上図に多クラス分類時の混合行列の例を示します。

多クラス分類モデルの評価では、まず、各クラスにおける True Positive(TP)、True Negative(TN)、False Positive(FP)、False Negative(FN) を算出します。続いて、評価指標(適合率や再現率)をマイクロ平均またはマクロ平均法を採用して計算します。

例えば、3クラスの分類問題について考えてみましょう。まず、クラス1をPositiveとみなし、それ以外のクラスをNegativeな事象とみなし、混合行列におけるTP・TN・FP・FNをそれぞれ計算します。続いて、クラス2、クラス3の順でPositiveとみなし、同様な計算を行います。

これらの計算結果により、クラス1・クラス2・クラス3それぞれの評価指標が算出できるようになります。このように、多クラス分類の評価指標は二値分類と同じです。

ただし、上図からも分かるように、多クラス分類の場合は評価指標がクラスの数だけ算出されます。ゆえに、多クラス分類の場合は、各クラスから得られた評価指標の集計作業が必要であり、これが2値分類問題と異なる点と言えます。

多クラス分類により得られた各クラスの評価指標の集計方法として「マクロ平均法」と「マイクロ平均法」が代表的です。以下、それぞれ詳しく見ていきましょう。

【多クラス分類】マクロ平均法とマイクロ平均法

多クラス分類における性能評価指標の集計方法としてマクロ平均法とマイクロ平均法について解説します。

マクロ平均法(macro)

マクロ平均法は、各クラス毎に評価指標(適合率・再現率など)を計算した後、平均を取る方法を指します。

マクロ平均法により算出した評価指標とは、各クラスの評価指標の平均です。そのため、マクロ平均法を採用すると、各クラスのサンプル数の偏りに影響を受けることなく評価指標が算出できるという特徴があります。

例えば、クラス1は10,000サンプル、クラス2は1,000サンプル、クラス3は1,000サンプルあったとします。また、クラス1は適合率0.5、クラス2は適合率0.8、クラス3は適合率0.8であったとします。この場合でマクロ平均法を適合率の集計方法として採用すると、多クラス分類問題全体における適合率は(0.5+0.8+0.8)/3 = 0.7となります。

このように、マクロ平均は全てのクラスに平等に重み付けするため、最も出現するクラスラベルに対して過度な影響を受けません。一方で、各クラスのサンプル数に応じて重み付けしたい場合は、後述するマイクロ平均法が有効です。

マイクロ平均法(micro)

マイクロ平均法は、各クラス毎のTP、TN、FP、FNの値を算出した段階で集計し、評価指標(適合率・再現率など)を算出する方法です。

マイクロ平均法は、データセットのサンプル数全体を考慮して評価指標を算出する方法であるため、各クラスのサンプル数に偏りがある場合、サンプル数の大きいクラスの評価指標が支配的になります。

そのため、マイクロ平均法は各クラスラベルのサンプル数に応じて重みづけしたい場合に有効な集計手段と言えます。

【参考】AI・機械学習における配信情報まとめ

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