【Python】欠損値の補完・置換方法|Pandasとsklearn.simpleImputerを用いたデータ前処理

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こんにちは、DXCEL WAVEの運営者(@dxcelwave)です!

データ分析や機械学習・AIモデル構築のために欠かせないデータクレンジング。その中でも欠損値の処理は分析・モデル精度向上という観点で非常に重要なプロセスと言えます。本記事では「Pythonを用いた欠損値データの補完方法」について解説します。

目次

【Python】欠損値の補完方法

統計処理や機械学習分野におけるデータ前処理、とりわけ「欠損値の対応」は、数理・AIモデルの性能向上に向けて欠かせない位置付けを担っています。

本記事では欠損値対応の1つの手段である「欠損値の補完方法」について詳しく言及します。

欠損値の補完方法は下記の手順で実施します。

  1. データセットの準備
  2. PandasのDataFrameを構築
  3. fillna()メソッドで欠損値を補完
  4. scikit-learnのSimpleImputerクラスをもとに欠損値を補完

メインは(3)(4)であり、その点詳しく解説します。

欠損値の補完に際して用いるPythonライブラリ

Pandas|fillna()

Pandasのfillna()とは、欠損値補完のために用いられるメソッドです。

Pandasメソッドには事前に以下を実行しライブラリをインストールしておきましょう。

pip install pandas

scikit-learn|SimpleImputer

scikit-learnのSimpleImputerとは、機械学習で用いるscikit-learnライブラリ内に準備されたクラスです。欠損値補完のために用いられます。

scikit-learnのクラスを用いるには事前に以下を実行しライブラリをインストールしておきましょう。

pip install scikit-learn

【Python】データセットの準備

欠損値補完を行うデータセットを準備し、PandasのDataFrameに変換します。今回はデータセットとして下記例を用います。

コード

import pandas as pd
from io import StringIO

csv_data = \
'''
ColA,ColB,ColC,ColD
1,2,1,4
10,9,,4
2,2,5,
3,,,9
'''

df = pd.read_csv(StringIO(csv_data))

出力結果

ColA ColB ColC ColD
0 1 2 1 4
1 10 9 NaN 4
2 2 2 5 NaN
3 3 NaN NaN 9

【Python実践】Pandas.fillnaメソッドでの欠損値の補完方法

Pandasメソッドを用いて欠損値を補完する方法について解説します。

欠損値補完|中央値

fillna()メソッドを用いる際、下記のように引数を指定すると、該当列の欠損値が中央値で置換できます。

今回の例では、columnCの欠損値を中央値で置換した場合を示します。

コード

#特定の特徴量:のNaN → 中央値変換
df["ColC"].fillna(df["ColC"].median())

出力結果

欠損値補完|平均値

指定した列の欠損値を、その列の「平均値」で補完したい場合、以下の実行します。

#平均値変換
df["ColC"].fillna(df["ColC"].mean())

欠損値補完|最大・最小値

指定した列の欠損値を、その列の「最大値」で補完したい場合、以下の実行します。

#最大値
df["ColC"].fillna(df["ColC"].max())

「最小値」で補完したい場合、以下の実行します。

#最小値
df["ColC"].fillna(df["ColC"].min())

欠損値補完|最頻値

指定した列の欠損値を、その列の「最頻値」で補完したい場合、以下の実行します。

#最頻値
df["ColC"].fillna(df["ColC"].mode())

上記引数にinplace=Trueを指定すると、欠損値補完されたオブジェクトとして更新されます。

【Python】scikit-learnのSimpleImputerで欠損値を一括補完する方法

Scikit-learnのSimpleImputerでインスタンスを作成し、欠損値の補完を行います。

各特徴量(列)ごとに計算された平均値で各々の欠損値を置換したい場合、下記のように記載します。

コード

import pandas as pd
import numpy as np
from sklearn.impute import SimpleImputer

#Dataframe値をarrayで読込
X = df.iloc[:,:4].values

#インスタンス生成・平均値補完
si = SimpleImputer(missing_values=np.nan, strategy='mean')

#補完
X = si.fit_transform(X)

#新規のDataFrameを生成
df1 = pd.DataFrame(X,columns=list(df.columns))
print(df1)

出力結果

欠損値の補完方法の指定

欠損値補完方法を指定するには、strategy=”XXXX”部分に下記を記載します。

mean 平均値
median 中央値
most_frequent 最頻値
constant 定数(fill_valueで指定した数値or文字列)

中央値(median)

各列毎に算出された「中央値」で欠損値を一括補完したい場合、strategyを次のように書き換えて実行します。

コード

#中央値
si = SimpleImputer(missing_values=np.nan, strategy='median')

出力結果

指定した値で欠損値補完|定数(constant)

欠損値をfill_valueで指定した数値または文字列で置換します。

constantでの欠損値一括補完というケースほとんどないですが今回は例として示します。

コード

#定数(fill_value)
si = SimpleImputer(missing_values=np.nan, strategy='constant',fill_value=9999)

出力結果

【参考】欠損値の可視化・除去作業について

本記事をご覧いただきありがとうございました!本記事ではデータクレンジングのノウハウとして「欠損値の確認・可視化方法」および「欠損値の除去(削除)方法」についても解説しています。是非ご覧ください!

データクレンジング:欠損値の確認・可視化方法

データクレンジング:欠損値の除去方法

【参考】Pythonでのデータ前処理技法を学ぶ上でおすすめの教材

統計処理や機械学習分野では、データの前処理はモデル精度向上に欠かせません。Pythonでのデータ前処理について詳しく学びたい方は、上記の書籍もおすすめできます。

【参考】Pythonでのデータ前処理・分析・可視化

当サイトではPythonを用いた「データ前処理手法」「データ分析」「グラフや表を用いた可視化」手法について幅広く解説しております。AI・機械学習にも応用できる内容となっておりますため、興味がある方は併せてご確認下さい。

Pythonを活用したデータ処理・分析手法一覧



【参考】Pythonとは・できること一覧

最後に

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