プロジェクト管理における品質マネジメント

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目次

品質マネジメント

品質マネジメントとは、プロジェクト成果物(プロダクト・サービス・中間作成物等)の品質を確保し、顧客満足度を高める活動を指します。

品質マネジメントには、「品質要求事項の計画」「品質マネジメント」「品質のコントロール」という3つのプロセスがあります。

【参考】品質の定義

品質とは、プロジェクトにて創出される成果物(プロダクト、サービス等)の特性が要求事項を満たしている度合いを指します。

品質要求事項の計画

品質方針を検討し、プロジェクトに提供する品質要求事項・メトリクスを計画することを「品質要求事項の計画」と呼びます。

品質マネジメントではこのプロセスから着手し、プロジェクトにおけるプロセスと成果物の品質の確保を目指します。

評価観点

品質の計画では、考慮すべき品質要求事項に対する評価方法とメトリクスを検討します。

品質について評価観点別に考慮すると、次のように表すこともできます。

パフォーマンス要求事項・仕様を満たしているか?意図した通りに機能するか?
満足度エンドユーザーに対して満足度の高いプロダクト・サービスを提供できているか?
持続性持続的に利用可能なプロダクト・サービスであるか?
再現性同様の方法で作成された他のプロダクト・サービスと同等のものになるか?
効率性最少の労力で最高のプロダクト・サービスが構築できるか?
信頼性利用される毎に一貫したレベルの機能・サービスを提供できるか?
回復力障害発生時への対処が迅速に可能か?

評価メトリクス

プロジェクトでは、プロダクト・サービスを開発し、最終的にクライアントに納品する際して、品質保証が重要になります。品質の評価には、具体的な測定値が利用され、例えば次のような測定値が利用できます。

(例)評価メトリクス

  • 機能面
    • 欠陥数
    • 欠陥率
    • 精度(AI等)
  • 満足度
    • 顧客フィードバック
  • 開発メトリクス
    • コード行あたりエラー
    • 時間通りに完了したタスクの割合
    • 処理時間

SMART

品質の評価メトリクスは、目的に応じて使い分け、定量的に測定できる必要があります。そのため、次のようなSMARTな特性が要求されます。

Specific測定対象が「具体的」である
Meaningful/Measurable測定対象が「有意義/測定可能」なものである
Achievable/Agree to目標は技術・完了に照らし合わせた際、「達成可能」である
Relevant/Realistic測定対象は目標と「関連性」がある
Timely/Time bound役にたつ測定は「タイムリー」なものである(=期限がある)

品質コスト

品質コストとは、「品質要求事項への不適合の予防コスト」「プロダクトやサービスが要求事項を満たしているか評価するために費やしたコスト」「要求事項への不適合に対して対応したコスト」「商品のライフサイクルにて発生したコスト」の総額を指します。

ビジネスにおける品質コストの考慮

品質レベルを向上させるために必要なコストは、指数関数的に上昇します。良いプロダクト・サービスを作成したからといってかなりのコストが計上されると、売り価格も上げる必要が出てきます。上図のように、売上高と品質コストには分岐点があり、品質コストが売上高を超えると、いわゆる赤字としてビジネスが成り立たなくなります。

そのため、品質の計画活動では、品質コストも考慮した計画が求められるのです。

品質コストの種類

品質コストには「適合コスト」と「不適合コスト」の2つがあります。

  • 適合コスト:プロジェクト期間内に費やした不良・欠陥の予防コストの合計
  • 不適合コスト:プロジェクト期間内および以降で費やした障害・トラブル対応(例:不良発生)コスト

適合コストおよび不適合コストは次のようにカテゴライズできます。

カテゴリ分類具体例
適合のコスト予防コスト・プロセスの文書化
・マニュアル作成
・欠陥改修対応
・研修・トレーニング
評価コスト・テスト
・テストに対する評価
不適合のコスト内部不良コスト
(プロジェクト内で発見された不良)
・不良による作業の出戻り
・破棄
外部不良コスト
(顧客によって発見された不良)
・ビジネス機会損失
・保証コスト

品質のマネジメントとコントロール

品質要求事項の計画に基づき、品質のマネジメントとコントロールを実施していきます。このプロセスは主に次のようなステップで実行します。

  1. 品質検査
  2. 品質保証
    • 品質の改善活動
    • 品質監査

品質検査

品質検査とは、品質評価対象のプロダクト・サービスが指定の品質評価基準に適合しているかどうかをテストすることを指します。品質基準外のプロダクト・サービスを顧客へ納品しないことが目的です。

品質検査は、プロダクト・サービス開発にて発生する欠陥を修正したり、変更作業が正しく実行されたかを検証するために実施されます。この時、品質要求事項の計画で定めた評価観点やメトリクスを用いて検査されるのが特徴です。

また、品質検査を通じて得た検査結果は、後続の品質保証プロセスへフィードバックされ、品質保証活動のインプットとして取り扱われます。

品質保証

プロジェクトで言う品質保証とは、規定に沿った正しいプロセスのもと、優れた品質のプロダクト・サービス構築を目指す活動を指します。

品質保証には「品質の改善活動」と「品質監査」という2つのプロセスがあります。

品質の改善活動

品質の改善活動とは、品質検査で評価基準を満たさなかった要因を分析し、対処する一連の活動を指します。

品質監査

品質監査とは、品質保証で定義された優れたプロダクト・サービス構築規定のための「規定プロセス」が正しく実行されているかを監査することを指します。

品質監査を通じて得られた結果は、次のよう役立てられます。

  • 監査対象のプロジェクトで実行しているベストプラクティスを教訓として他のプロジェクトへ紹介する
  • 監査対象のプロジェクトにおける問題点を発見し指摘する。

最後に

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